宇賀田直人 デザイン

『秀英体100』と『ひろせべに作品展 新春盆地便り』

zakki
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1月17日の土曜日は朝から銀座に向かう。まずは楽しみにしていたギンザ・グラフィック・ギャラリーの『秀英体100』展へ。

1階は多くの著名デザイナーの皆様によるポスター展、地下は秀英体のあれこれ、という展示。ポスターがどの作品も想像を越える素晴らしいものばかりで、じっくりと見入ってしまった。期待していた開発中の角ゴシック、丸ゴシックもちらっと組見本を見る事が出来、完成度はかなり高そう…特に丸ゴシックの漢字に興奮。1月31日まで開催。

木村屋で酒種の小倉あんぱんとクリームパンをおみやげに購入。次は神保町へ。

讃岐うどんの『丸香』。開店当初から有名なお店でいつも行列だけど一年に一度は行っていて、いつも美味しいかけうどんをいただいている。初めて練り物の海老天を頼み、大きなサイズでこちらも美味。少ないながら天ぷらや練り物をアテお酒も飲めそうなのに、今は置くのをやめてしまったのだろうか。

お腹を満たしてから、京都在住の型染家、関美穂子さんと一緒に打ち合わせ。以前からこちらのお仕事で何度かご一緒させていただいてから、これからも一緒に何かを作ることが増えていきそうで楽しみ。

打ち合わせ後、関さんと一緒に小石川へ。こちらも京都在住のイラストレーター、ひろせべにさんの個展がギャラリー/カフェ『橙灯』で開かれていて、展示最初の週末にカフェ『ユーゲ』さんも偶然?一緒に?出張開店とのこと。階段を上がりドアを開けるとこじんまりとした空間は人気のせいか混雑気味。

ユーゲさんはそもそも2007年にこちらの本の撮影でお店を使わせて頂いた際に初訪問し、すっかりトリコに。その後しばらく行ける機会が無く、この年末に京都へ行った際にようやく再訪、夜の時間も楽しむことが出来ますます大好きなお店に。名物のベーグルも水餃子も本当に美味しく、まあ店主もお店もつかみどころがないのだけれど、そこがまた…。そして半月も経たずにまたユーゲさんをゆっくりと味わえてよい気分に。

そしてひろせさん。もう10年以上前、自分が恵文社一乗寺店でスタッフとして入った時からご自身で作られたポストカードなどを扱っていたり、展示をされたりしていて、お名前と存在は知っていたのですが一度もお会いしたことがなく。そして時はたち場所も離れた東京で初めてお会いすることが出来、とても感激。作品も以前よりも世界が広がっていたような、そして何よりもかわいらしい絵ばかりで流石だなあと。色々とお手軽に買えるグッズや、お菓子もありました。1月31日まで。

さらに偶然いらした近代ナリコさんに久しぶりにお会いできて嬉しかった。その後は池袋に行ったり本郷に行ったりで流れ流れて紆余曲折、久しぶりにあっちこっちに移動、楽しい一日だった。

Doppelzimmerのこと・その3

zakki
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6月20日、日曜日の夕方からは南青山のUTRECHT / NOW IDeAにてDoppelzimmerのリリース記念ライブに。休憩を挟み2時間ほど沢山の曲を演奏されて、マイク/アンプリファイドなしの生音だけということもあり、とてもあたたかみのある素晴らしいコンサートに。色々な国の色々な言葉の曲をいったりきたりで聴いていると旅行をしているような気分になったり、既に名物?! ヴォーカルの瑶子さんによる、楽曲解説の会場ウケがとても良くてその事が可笑しかったり…まあつくづく良いデュオだな、と思う。

CDに入っていたり入っていなかったりの多くのレパートリーの中でも今回思い出せる範囲では、

  • 根津教会ばらきゃべつ以来の「ホフマンの舟歌」
  • 元を歌っているIva BittovaのYouTube映像も繰り返し聴いていた「Ticha Domacnost(静かな家)」
  • 初めて聴いて調べてみたくなった「Veronika, Der Lenz Ist Da(ヴェロニカ、春が来た)」
  • さらに故ブロッサム・ディアリーもコンサートでよく歌っていて、その歌詞のユニークさ?で笑いをとっていた「The Ballad Of The Shape Of Things」。鍵盤のアルペジオをそのままギターに置き換えたような麦さんの素晴らしい演奏

が心に残る。

演奏後、時間もあったので色々と楽曲のことを質問してみたりして「なるほど、ふむふむ」ともなり、また色々な音楽のことを調べたい欲がむくむくと沸いてきた。自分よりも随分と若いのに知らない音楽を教えてくれるお二人に感謝。「またばらきゃべつでも聴いてみたい」と聞いてみたら近いうちに機会があるかも、とのこと。楽しみ。

日本橋から浅草橋界隈をぶらぶら

zakki
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6月のとある土曜日、「原字ものがたり—デジタルフォントの原型」展が最終日とのことで見に行く。なかなか足を運ぶ機会の少ない中央区のあの界隈、せっかくなので三越本店から歩いて古くからのビジネス街をぶらぶらしてみるがあっという間に人形町に到着。

5つのフォントメーカーが金属活字からデジタルフォントなど「書体」の元になる、専用の紙に烏口と溝引きでスミ入れされた「原字」を展示。他にも金属活字やそれらで打たれた明治初期の新聞など、貴重な資料を多く見る事ができた。字游工房の「ヒラギノ明朝」「游明朝」の美しさ、以前トークショーで制作行程を見かけたことのある近年のヒット書体「丸明オールド」の作られ方や構造がとても面白い、など。

そういえばと思い以前から行ってみたかったともすけ食堂を目指して小伝馬町の方へ歩いてみる、が営業時間外だったようで閉まっていたが入り口に置かれていたメニューやお知らせの紙を頂く。うーむ、色々と美味しそう、ぜひ再挑戦してみよう。

そうしていたら未訪であったFOIL GALLERYの看板に出くわし、「持ち込みナイト記念展」という若手アーティストのグループ展?を見る。ギャラリーの入っている風情のある古〜いビジネスビルには他にも若い人が開いていそうなカフェや洋服屋さん雑貨屋さんなどのお店も入っていて興味深かった。

数年前から耳にしていた“あの界隈”の盛り上がりにますます興味が沸いてきた一日だった…とここで終われば良かったのだが場所は浅草橋の近く、すると足は勝手に「西口やきとん」「やまと」の両酒場へ。なんと「やまと」さんは6月末日で移転だそう。土曜の明るい時間にサービス価格の白いハイボールを、古めかしい店内の空気とともにじっくりと堪能してきた。

Doppelzimmerのこと・その2

zakki
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ドッペルツィマー勝手に応援団活動。

前回書いた、6月5日/6日は天気もよくビルの屋上という気持ちの良いロケーションだった「D♥Y」でのライブを鑑賞。6日にはトイピアノとヴォーカルでももつばきの繭さんも加わった三人編成で。アルバムに入っていない曲のレパートリーも多いようで、中でも大貫妙子さん作・NHKみんなのうた「メトロポリタン美術館」に驚くともに感激。D♥Yも多くの知人に会うことができて楽しいイベントだった。

その間、No.12 Galleryのウェブサイトで試聴が出来るようにカットアップと設置のお手伝いが出来たので、少しだけお役に立てたかな? うれしい。
http://no12gallery.com/log/eid132.html

そして6月20日に南青山のUTRECHT / NOW IDeAにてリリース記念ライブが決定。Sunday Afternoon! また知らないレパートリーも聴けたらいいな。楽しみ。

Doppelzimmerのこと

zakki
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Doppelzimmer(ドッペルツィマー)という名前の歌とアコースティック・ギターのデュオのことを、とりとめもなく長々と綴る。

かれこれ2年以上前、大好きなブラジル人シンガー・ソングライター、マルコス・ヴァーリの「The Face I Love」という曲を、YouTubeでおもむろに検索してみた。本人の歌っている映像は見つからなかったが、世界中の人たちがカヴァーして披露している中に、不思議なお面を被った二人組を見つけ、聴いてみたら素晴らしいハーモニーとギター演奏。その他にも「Brazil」や小沢健二の「大人になれば」などをボサノヴァふうに演奏していて何度も何度も聴いては、すっかりトリコになっていた。

おそらく日本人らしき二人、いったい何処の誰なんだろう? と思っていたら、アトリエ・エーで知り合った平野夫妻の運営するNo.12ギャラリーでライブをやっていたと知り、ええ! と驚き、しかしその後も何度か機会のあったライブにはタイミングが合わず残念ながら行くことがかなわぬままだった。

そうこうしているうちに時は過ぎ、今年CDアルバムを出すことを聞き、さらに4月の頭にライブが文京区の根津教会で行われると教えてもらい、初めての演奏を聞きに当日はいそいそと教会へ向かった。

大正8年に建てられたというだけあり、なんとも素朴な建物で、しかし清潔でいて少し想像とは違う明るい屋内。演奏が行われる礼拝堂の横に待合室のような場所があり、そこでお客さんや出演される方たちがお茶を飲んだりおやつをつまんだりしている。とても優しい雰囲気。先に来ていた友人によく聞いてみるとDoppelzimmerだけでなく、他にもいくつかの出演者がいるイベントということを知った。

そして最初にDoppelzimmerの二人と、もう二人の計四人が出てきた。後で知ったのだが、もう二人とはMomotsubakiというアコーディオン・デュオで、あわせて「ばらきゃべつ」というユニットだそう。四脚の椅子のまわりには色々な楽器が置いてあり、アンプがひとつだけ椅子の下に見られるだけでほぼ生の唄と楽器だけで演奏されるようだ。ライブというか、コンサートや音楽会や演奏会のような呼び方が当てはまるだろうか。それぞれのデュオでの演奏で初めて彼らの演奏を聴くことが出来た。

その後も「ばらきゃべつ」でテンポよくヨーロッパやブラジル、またオリジナル曲などが演奏されていく礼拝堂の音の響きもとても良い。なんだかここではないどこかにいるような気分にもなり、不思議な感動が生まれていた。あっという間に最後の曲で「故郷の空」。聴いたことの有るような無いような古い歌のようで、歌詞の変わった二番がかわいらしくもとても寂しさを感じ、強く印象に残る。その後に出演されたKarluv207というカンテレ/マンドリンという構成のデュオも素敵な音。途中の休憩時間に紹介していただき前述のYouTubeのことを伝えることが出来、場所や雰囲気も含め、じわっと心に残る素晴らしいコンサートだった。

最も気になった曲「故郷の空」のことを帰った後で調べてみると、100年以上も前のスコットランド民謡(Wikipedia)。学校の音楽教科書に載っているような民謡など所謂トラディショナル・フォークの類いに感動したのは、物心ついてから初めてではないだろうか。当人達はいたって好きな曲を演奏しているだけだろうが、「知る人ぞ知る」でもないスタンダードな、しかし古今東西の楽曲選択が、しっかりとした歌唱力と演奏力、解釈の上に成り立っていることにうち震える。

そしてつい先日5月25日にNo.12 GalleryのレーベルからSame TitleでCDアルバムをリリース(No.12 Gallery)。パチパチ。早速近所なのもあって買いに走り何度も何度も聴いている。色々な国の言葉の歌、ピアノや管楽器の音も小さく時折聞こえる14曲が収められた素晴らしい内容。もちろん「故郷の空」も収録。その前の「My Favorite Things」「Irgendwo Auf Der Welt」「Tichá Domácnost」もあわせた後半4曲がとても好き。

CDはNo.12 Galleryのほか、先日サイトを制作させていただいた代々木上原の古書店ロスパペロテスでも販売されていたことは確認。そして今週6月5日/6日には目黒通り沿いのClaskaにて「D♥Y」というイベントでライブが行われるそう。これから色々な場所で演奏を聴くことができそうで、楽しみ。

良かった本や音楽 2009年・春

zakki
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人民は弱し 官吏は強し/星新一
 製薬会社を設立した父親である星一さんの、明治/大正期の伝記。描かれる国家官憲による理不尽な事業妨害と、それと闘う民間起業家の対立構図は、現代の日本社会のあんな事やこんな事と同じように映り、この国は戦前も戦後も全く変わってないなあ…いや、世界中のあらゆる支配する側と支配される側の構図もか…もやもや。島国ゆえんか、長い歴史で築かれた“御上に平伏す”集団性か、近年しばしば考えていることにズドンと響いた内容だった。

対岸の彼女/角田光代
 なんだか好きな角田さん。設定に少し強引さを感じたが一気に読めた。主人公の一人が最後に見つけた××に10代の頃の、良くも悪くもな純粋さを思い出したりして最もジーンとくる。前向きなな印象の結末だったのが少し意外。これもドラマ化されているのか…。

電子音楽インジャパン/田中雄二
 刊行時以来の再読。YMOでの教授・坂本龍一さんにしばらくハマりかけていたので久々に分厚い本書を開くが、アナログシンセなど当時の楽器の話は何度読んでも面白い。

思い出トランプ/向田邦子
 おそらく15年以上振りの再読。当時お正月とお盆だったかな?に放送されていた向田ドラマが何故だかとてもとても好きで、よく観ていた。初期の小林亜星さんよりも特に小林薫さん/田中裕子さんの印象が今でも強く残っている。それがきっかけで小説や短編集を読んではみたが、子どもだったせいか向田文学の空気感やテーマを読み取る力は当時の自分には無かった…。20代前半に妹の和子さん著の本がいくつか出たこともあってその人物像に迫ってはいたが、30歳を過ぎて読み直してみたら猛烈な生々しさと湿度を感じてしまった。なんだか判った気になっているのかもしれないが、これが大人(=おっさん)になったということか? 他にも読み直してみよう。

丘の上のパンク/川勝正幸・編著
 口述伝記という形や、主な時代設定は先に出た「ライフ・アット・スリッツ/浜田淳・著」と若干並走する感じだろうか。歴史情報としての新鮮さは正直あまり無かったのは、個人的にファンという訳ではない藤原ヒロシ氏の影響や情報が若い時から知らずのうちに刷り込まれていたからか? そういえば音楽は結構好きか…初めて見たのは16歳の時だった。子どものような素直さと好奇心で、他者との広い交流を持ちながら現在に至る点は単純に尊敬。膨大な作業が透けて見えてしまう川勝氏流石の編集力にも感動。藤原ヒロシさんという人物にフォーカスしてもピントがいまひとつ合わない、というか霧に包まれているような、そうでもないような…な雰囲気がなんとも。それにしても40代元気いっぱいで伝記が作られる、というのはどういう気持ちになるんだろう?

デザインするな ドラフト代表宮田識/藤崎圭一郎
 近年の所属されている若手の方たちしか知らなかったけれど広告屋さんのお話の中では珍しくフムフム、と思えたり共感を得られる箇所が多かった本文部分。豪快だけど根底には思慮深く哲学を持ち魅力的な方なのかな? 語られていることやタイトルとは裏腹に、とってもデザインされているとしか思えない造本のおかげで字数が少なく、ハンドリングは悪いけどさらっと読める、不思議な一冊。春先にあった展覧会図録なのだろうか?

今日のおかず/高山なおみ
 これは実用書だけど…良い本。「野菜だより」からはじまったビニールカバーのシリーズ最新作。序文が良いのは当然として、どっしりめ(に思える・笑)のレシピに対してアンダー気味の光量で濃厚に分解された日置武晴さんの写真のバランスは、相変わらず高山さんご本人を表すような空気がつくられている、かな? 前作はぶっかぶかであれ?と思ったビニールカバーのフィット具合が今作は○。仕方がないかもしれないが、色々と見ているので若干レシピの既視感が気になってきた…。「野菜だより」の続編的なものも見てみたい。

Rules / The Whitest Boy Alive
 ”Harder, Better, Faster, Stronger / Daft Punk”のカヴァーとしか聴こえない”1517″は、間奏でちゃんとカウベルのような鳴り物を鳴らしているところにグッとくる。ライブでは”Music Sounds Better With You / Stardust”も演奏しているようだし…本当に好きなんだろうなあ。

playing the piano 2009 / 坂本龍一
今年のピアノ・コンサートツアーを、各公演毎にiTunes Music Storeにて即販売していたライブアルバム。そのコンセプトだけでも最高だが、この歳にしてようやく教授の音楽をじっくり聴けるようになったのが嬉しい。なんとなくだけど4月28日の東京公演分を選んで購入。

Kitsuné Tabloid by Phoenix / V.A.
「Dirty Diamond」とか「Bugged Out Mix Erol Alkan」のDisc2とか、古く辿ると「From Brussel with love」とか? とにかくこの質感のコンピレーションはなかなか少ないので、大傑作。Phoenixはやっぱり凄いセンスだなあ…。ブックレットのThomas / Brancoによるコメントもまた最高。古い音源はさておき、Rise Above / Dirty Projectorsが白眉で嬉しい発見。

Saskamodie / Mocky
昨年のJamie LidellやGonzalesに続くルーツを志向した音像と、歌詞の無い(ハミングやスキャットはある)楽曲が大半を占め、想像と妄想をかきむしられる豊潤な楽器構成と室内楽的なアレンジメントが本当に素敵! これぞザ・音楽。ジャズの文脈に乗っかりながらも、Pascal ComeladeやRobert Wyattの近作にも近い雰囲気を感じた。前にも書いた気がするがGonzales / Le Together Ensemble / White Gloves etc. etc.もあわせた来日公演をどなたかぜひともに…。

Sensuous Synchronized Show / Cornelius (DVD)
昨年の3月に東京国際フォーラムで行われたライブを収録したDVD。なかなか音が良くて好きな国際フォーラムで、と聞きすぐにチケットをとって、演奏/演出はもちろん、“座って”鑑賞出来たとても良いライブだった思い出があるので、早くも発売が嬉しい限り。近年のお決まりで、絵が無いのが好きなので早速音データだけリップして映像無しで聴きまくる。

Something Good Can Work / Two Door Cinema Club
ちょっといなたいけど、トロピカ〜ルでいいメロディ。これもKitsunéだ。

Penelope Pitstop / Breakbot (via YouTube)
BreakbotもEd Rec.入りだそうで…。未リリースだと思うけどこの曲のこの映像つきが絶妙で楽しい。

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